啼鳥。

2002年12月27日 自己愛
 空を、飛ぼう。
 空を、飛ぶんだ。

 屋上から身を乗り出して、拾った烏の羽を両手に一本づつ持って。
 持ったまま、柵を乗り越えて・・・・・・

 あ・・・・・・

 ひらりひらりと

 羽根が落ちてゆく

 はね、

 風に舞う、はね。

 ひらりひらり ひらり、ひらりひらり

 もう飛べない?

 飛べない。

 飛べない鳥は、何処に行けばいいの?

 飛べない鳥は 啼けない鳥
 啼けない鳥は 何処までも飛んでゆく

 飛んでいく

 飛んでゆく

 飛びながら、涙を流して笑うんだ。

 だから、

 わたしも笑おう。

 飛べないままで、残った烏の羽根を握り締めて。

 大声で

 笑い声だけを空に飛ばそう。

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